洗脳というと、何だか怪しげなセミナーに参加したりとか、どこか非日常的なイメージがあるかもしれませんが…実は案外、身近なところに危険が潜んでいたりするのです。
そもそも、人はなぜ洗脳をしようとするのでしょうか。
洗脳…噛み砕いて言うと「私の話を信じなさい」ということ、でしょうか。
私が最初に洗脳的な経験をしたのは、まだ子供の頃。区長さん家のお庭に地区の人たちが集まり、ゴザを広げてみんなで座っていました。すると、何やら見知らぬ人が前で話を始めて、気づいたら近所の大人たちが皆布団を買って帰っていました。うちの親も一緒になって買っていました。今思えば、皆でうまいこと言いくるめられてしまった…のでしょうね。
その次に洗脳体験をしたのは、大学生の頃。当時お付き合いをしていた人が、とあるセミナーに参加していて、私もたまに同行していました。健康グッズのようなものをクチコミで伝えるやり方を、当時の彼はビジネスとして真剣に信じていました。私も彼の役に立つのならと、製品を購入したりして協力しました。その後彼とはお別れしてしまったので、彼がどのくらいセミナーに携わっていたのかはわかりませんが、今思えば立派な洗脳行為だったな…と思います。
人は一旦洗脳されてしまうと、自分が洗脳されていることには気づこうとしません。誰かに洗脳の可能性を言われようものなら、全力で否定すると思います。認めたくないのです。
でも私は、何度か洗脳体験をしたせいもあってか?何となく、これは洗脳しようとしているのか?という雰囲気がわかるようになりました。
人を洗脳しようとする人は、とにかく皆の気を引きます。例えば自己啓発セミナーの講師の先生とかは、場の空気を敏感に察知して、ちょっと皆の気持ちが離れかけているのがわかると「ねぇみなさん!そうでしょ?そう思うでしょう?」と呼びかけて、皆の気持ちを引きつけてから、話を再開させます。
スピリチュアルな世界においても、この洗脳テクニック?を見かけることがあります。スピリチュアルな話って、実際のところ…本当なのかどうか?よくわかりませんよね。各自の持つ感覚や直感に頼るしかないのです。
そこで、洗脳しようとする人は話の途中で「みなさん、わかりますか?」というフレーズを何度も挟みます。「みんな、わかる?」と何度も繰り返すことで、話をする人の立場が上になり、私はスピリチュアルなことをわかって言っているんですよ!というアピールになっているのです。自分が上だという立場を明確にしてからスピリチュアルな内容を伝えることで、あいまいな内容の信憑性を高めているのです。
その人の話し方に洗脳的なテクニックを感じてしまった時…恐らく話をする人は、話す内容に自信がないか、嘘の内容を伝えようとしているか、のどちらかだと思います。話す内容が真実であるという絶対的な自信があれば、ストレートに気持ちを込めて伝えるのが一番伝わるって、みんなわかっていますからね。
ただてさえ正確なことが分からないスピリチュアルの世界…誰の話を、どの話を信じるのか?
話の中に潜んでいる洗脳のサインを見極めることで、もしかしたらスピリチュアルの真実を知るヒントに繋がるかも…しれません。