スピリチュアルな道を目指し始める人たちが、まず行うべきなのは「自らの癒し」です。自分自身の癒しがしっかりとできて、初めて他の人を癒すことができます。
…この理論、だいぶ浸透してきているようですね。スピリチュアルな道への入り口は様々だし、方法もいろいろあるかと思いますが…どんな分野であっても、このことは共通して言えることです。
ここで、とある方の癒しエピソードをひとつ。
その方はスピリチュアルなことを学び始めて、いろいろな気づきや手放しを続けてきて…苦しいこともあったそうですが、以前よりも自分自身と深く繋がれるようになったし、何より生きづらさが解消されてきているのだそうです。
でも、最近家族の仲の悪さで悩んでいるのだそうで。家族が仲良くなるように天使にお願いしても、家では思春期の子供たちと旦那さんとが言い争いばかりをしていて…
どうして思ったことをすぐ口に出すの?どうしてもっと仲良くできないの?…結局その方自身も感情が吹き出してしまい、家族に怒鳴り叫んでしまったそうです。
家族で楽しく夕食を食べたかったのに…どうしていつもこうなるんだろう…って思っていたら、天使の声が聞こえたそうです。
違うよ、手放せていないのは、そこじゃない、と。
そこで、その方は気づいたのだそうです。家族の問題ではなく、子供の頃から家族のために犠牲になってきた、自分自身の問題であると。
スピリチュアルなことを学び始めて約1年、たくさんの浄化と手放しを成功させてきて、もうこれ以上手放すものはない、と思っていたのに…今まで見ようとしなかった家族の問題を、天使たちが引っ張り出したのだ、と。
このエピソードを聞いて、私が思ったこと。すみませんが、ちょっと辛口コメントになります。
まず、家族仲良くしてほしい、楽しく夕食を食べたい…というのは「その方が」思ったことであって。他の家族は、それぞれ言いたいことがあって言い争いをしていたのだから、それは我慢せずに言ったほうがいいのです。言いたいことを我慢したって、結局それぞれの肚の中に鬱憤がたまるだけ。だってその方自身も、最後には感情が爆発して家族に怒鳴っていたじゃないですか。
家族の言い争いは、メンバーそれぞれの問題としてただ見守ればいいだけ。たとえ家族仲良くして欲しいからと言って、その方が「言い争いをやめて!」と割り込む権利は本来ないはずで…その方には「いつも家族仲良くしてほしい」という、家族に対する押し付けの気持ち=エゴがまだまだあります。
そして、スピリチュアルなことを学び始めて1年、たくさんの浄化と手放しを成功させて、これ以上手放すものはない…と言っていますが。たかが1年で、浄化と手放しが完了なんてするわけがないのです。
自分と向き合う作業は、掘っても掘っても次々に新たな課題が出てくるものです。それこそ、一生かけて取り組む覚悟が必要なことだと思います。たかが1年…大甘もいいところです。たった1年…浄化して、手放して、生まれ変わったつもりになって、付け焼き刃で人様を癒すなんて…ふざけるのもいい加減にしてほしいです。
こんな大甘スピリチュアルさんが、芋づる式に広がりつつある現状…癒しって、そんな簡単じゃないんですけどね。まぁその方も、今回家族の問題に向き合い始めているようなので…一歩前進しているのはいいことだと思います。