Work "OUR" Light 〜Juan's blog〜

ブルーレイチルドレンJuanの、スピリチュアルな?つぶやき

普通って、何だろうね

昨日と今日、小学5年の息子が近隣の青年自然の家に宿泊学習に来ています。といっても、普段仲間の輪に入れずに支援級で過ごしている息子が、ほかの子たちと一緒に宿泊なんてできるわけがなく…今回は宿泊せず、日中のみの参加という形をとらせてもらいました。私は近場で待機し、何かあったら連絡をもらうことになっています。

昨日の1日目は、海で貝殻拾いをして、その貝でフォトフレームを作って、レクは先生と見学して…無事に日程を終えて帰ってきました。息子なりに楽しめたようでよかったです。ちなみにほかの子たちは、夜にキャンドルファイヤーをしたり、お楽しみ会をしたようです。

そして今日の2日目。みんなと合流して、まずは集合写真を撮る予定でしたが、来て早々みんなの輪に入ることができず…写真は諦めました。

その後は屋外でピザ作りをするのですが、天候不順により場所が変更になってしまいました。先生たちも状況をあまり把握していなくて、息子がプチパニックを起こしてしまい…結局、息子がある程度落ち着くまで、私も一緒にピザ作りに付き添うことになりましたσ(^_^;)

 

さて、ピザ作りがスタート!事前の計画に従って、子供たちがそれぞれの分担で作業を始めました。外で薪割りと火おこしをするチーム、部屋の中で具材の準備をするチーム、ピザ生地を捏ねるチーム…息子は少し離れたところで、みんなの様子を見ていました。

すると、息子と同じ支援級に在籍しているRくんが、みんなの輪から離れてポツンと座り込んでいるのがわかりました。Rくんに声をかけてみたら、腰が痛くて辛いとのこと。普段から痛いの?と聞いたら、普段は痛くなくて、宿泊学習に来てから痛くなってしまったのだそうです。

 

私はRくんの様子を見ていて…うちの息子と同じように、宿泊学習自体がRくんにはキツいのかもなぁ…だから腰が悲鳴を上げているのかも…そんなふうに感じました。

でも、先生たちは腰の痛いRくんを休ませてはくれませんでした。仲間がRくんの分も仕事をしているから、そんなところに座っていないでこっちへ来なさい!と言われてしまい(>_<) Rくんは仕方なく、分担である薪割りのところへ戻りました。

その後もRくんは、何度もその場に座り込んでいましたが…その度にRくんは、そんなところで座っていないで、ちゃんと仕事をしなさい!と先生たちに怒られていました。

 

同じ支援級在籍でも、先生たちはうちの息子には何も言いません。何なら優しく声までかけてくれます。その理由は、親である私が先生たちに支援をお願いしているからです。うちの子は発達障がいを抱えていて、支援が必要な子です…と最初の段階で伝えてあるからです。

だから、先生たちは息子に優しくしてくれますが、その分同級生たちの目は冷ややかです。自分たちがやっている仕事を息子は何もやっていない、それなのに先生たちは息子に優しく接している…たぶんそう感じているのだと思います。

一方でRくんは、ほかの子たちと同じ活動に頑張って取り組んでいます。たとえ支援級在籍であっても、先生たちはほかの子たちと同じ扱いをしているから、Rくんには厳しい言葉をかける…その分、同級生たちの輪にはしっかりと入っているし、同じ作業を共にする仲間として認められています。

 

同じ支援級在籍でも、いわゆる「普通」からドロップアウトした息子と、「普通」にしがみついているRくん。そこには大きな隔たりがあります。

今日のピザ作りの活動をそばで見ていて…何もせずにウロウロしているだけの息子と、何度もしゃがみ込みながら、先生に怒られながら作業に参加していたRくん。どちらも、これでいいわけじゃないよなぁ…私はそんな想いで2人を見ていました。

学校という集団生活の場では、どうしても「普通」という基準が付きまといます。学校が設定した「普通」どおりに活動できて初めて、先生に認められるのであり…「普通」という基準から外れてしまう子は、息子のように偏見の目を持たれたり、Rくんのように必要以上に頑張りすぎて、体が悲鳴を上げたりするのです。

息子とRくんに必要なのは、白黒はっきりとした基準ではなく、基準そのものにグラデーションを持たせることです。息子には息子の基準が、RくんにはRくんの基準があるはずです。それらを一律にして「普通」とすることで、はみ出る子たちが苦しんでしまうのです。

今日のピザ作りに関して言えば、息子にできる仕事は何かしらあったはずで、先生方がその場で臨機応変に対応してもよかったと思いますし。Rくんに関しては、腰が痛いという訴えを真摯に受け止めて、一旦休ませてあげてもよかったのでは?と思います。

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「普通」って、一体何なのでしょうね。私はズーンと重い気持ちを抱えながら、宿泊学習の付き添いから帰ってきました。

 

*追記:あれから一週間経ちますが、Rくんはずっと学校を休んでいます。ママによると咳がひどくて、時には咳き込んで吐いてしまうほどなのだそうです(>_<)

Rくん、今までいろいろなことを我慢して、相当溜め込んでいたのではないでしょうか。今回の宿泊学習をきっかけにして、そういうものが一気に溢れ出してしまい、体が悲鳴を上げてしまったのかもしれませんね。ゆっくり時間をかけて、心身ともに元気になってほしいです。

それにしても、なぜ学校は、先生は、ここまで彼を追い詰めてしまったのでしょうか。今回のことをきっかけにして、みんなが本気でRくんの想いに向き合ってほしいと、心から願っています。